歯科正則治療の勧め

歯髄保存

歯髄保存

2017年02月16日

私は, 1961710日に正則治療の存在を知りましたから, 正式な歯科医療=正則歯科医療の実現を目指して, 過去57年間努力して来ました. その第一は, 虫歯を正式に取り除いて治療することです.

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虫歯治療は, 痛くないように無痛治療を心がけています. そのためには, 笑気=亜酸化窒素:N2O=30%40%, 酸素O2=70%60%の混合気体を吸入すると, 15分で意識は正常なまま, 痛みだけが感じられなくなります.この全身麻酔法は笑気吸入鎮静法:Analgesiaと呼ばれている安全な麻酔法です.

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また, 表面麻酔法があります.

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麻酔薬のGelを乾燥した歯肉表面に塗布して30秒間待つと, 歯肉表面から5mm程度が麻酔されます. または, 乾燥した歯肉表面に麻酔液を数滴垂らして, 30秒間待つと, 表面が麻酔されます. さらに, 針なし麻酔器: Syrijetと呼ぶ, 瞬間的に麻酔液を射出して表面の10mm程度を麻酔する器具があり, これで麻酔が効いた部位に普通の注射麻酔をします.


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麻酔をしなくても, 歯髄を無痛的に切断できるMicro-Prepと呼ぶ設備が19961月からあります.  30μmAlumina: Al2O3の球体を歯に吹き付けて,  510秒以内に無痛で歯髄も切断できる設備です. 大学病院などの保険診療している施設には無い設備です.

 

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無痛状態で虫歯を削り, 何よりも, 虫歯に感染している歯質を染め分ける虫歯検知液を数滴垂らして, 10秒間待ち, 水洗・乾燥して, 染まった感染歯質を確実に削除します. そのためには, 1回ではなく, 5回も10回も染めますから, 麻酔が確実に効いている必要があり, 時間も保険式の10倍はかかりますが, 確実に虫歯が取り除かれます. 普通の保険診療では虫歯を取り残して詰めています.
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虫歯検知液には, 2種類があり, 1980年に発売されたCaries Detectorは虫歯染色に10秒間待つ必要があります. しかし,  2004年に発売されたCaries Check3秒間で染まりますから, 便利だと言われ, しばらく使用しました. しかし, Caries Checkは虫歯が染まり難く, 虫歯が残ることが明らかになり, 間もなく使用を廃止しています.


なぜなら, Caries Detectorで虫歯を取り除いて, 露出した歯髄を直接覆髄しても, 経過は良好ですが, Caries Checkで虫歯を取り除いて, 露出した歯髄を直接覆髄すると, 予後不良があきらかだからです.

 

Laser光線を照射して, 疑わしい部分や隣接面を削って染色しなくても, 虫歯に感染している部分を診断できるディアグノデント:DIAGNOdentという装置もあります.


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その第二が歯髄と呼ばれる歯の神経が露出しても, 取り除いて, 歯を殺さないで, 歯髄を正常に保存できる直接覆髄法:Direct Pulp Cappingと生活歯髄切断法: Vital Pulp Amputation19669月に世界に先駆けて考案して, 以来, 52年間, 歯髄を除去して, 歯内療法をする時間と手間を省いて来ました.


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現在でも,世界中の歯学部では, 歯髄が露出したら, 確実に保存できる方法が確立していません. その結果, ほとんどが抜髄と呼ぶ歯髄除去と, その後の歯内療法に時間と回数と手間を費やしていて, 歯髄を失った歯根は, 中味のない貝殻同然で, 割れ易く, 虫歯に抵抗力が無いため, 抜歯の第一原因になっています. 生きている歯根には破折の危険がなく, 歯内療法は「しないに限ります」.

 

歯髄を取り除かれて死んだ歯根は, 割れやすくて, 抜歯される最大の原因になっています.
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私は19669月から歯髄保存法と, 下顎伝達麻酔法ができたため, 196610月から東京医科歯科大学歯学部専攻科から派遣されていた霞ヶ関合同庁舎3号館(運輸・建設省=現国土交通省) で月水金に診療していて, 火木土組と2名ずつ診療していましたが, 1967年には先輩3人よりも私1人の診療収入が多いと受付に言われました.


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私は1966年から歯を殺しませんから, 多数の歯を同時に印象したり, 合着したりする際には, 注射麻酔法では1時間で麻酔がさめて無理なため, 1974年から全身麻酔法を44年間採用して来ました.


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普通には笑気=N2O30%40%, 酸素=O270%60%の混合ガスを吸うと, 15分後には, 意識は正常で, 痛みだけが感じなくなります. 笑気吸入鎮静法と呼ばれています. 歯髄が初めから死んでいた歯は歯内療法しますが, 生きていた歯は全部生きたままです.

 

第三は, 歯髄がすでに死んだ歯根の治療は「歯内療法」と呼ばれますが, 私は1951年以来, HawaiiDr. Warren T.WakaiApical Sheet法を採用して, 1回で治療が終わり, すぐにLondonDr.KurerAnchor Post法で, 即時に暫間歯冠修復ができて, 咬合回復と審美回復ができています

 

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Apical Sheet法やインプラント植立法のために, 各診療室のChair Unitには, 歯科用X線装置とデジタルX線装置が付属していて即座にX線撮影して, 2秒後にDisplayに拡大表示できますから, 正確な診断と治療が迅速に可能です.


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Digital X
線装置は, 歯科用標準X線撮影の1/101/16X線被曝量ですから, 安全です. X線室にしかX線撮影装置が無い大学病院などの安物の診療施設とは, レベルが異なります.